スーパーで買った果物や野菜の種を使って、自分で植物を育てる方法について紹介します。果物や野菜の種は、捨てるのではなく、発芽させて再利用することができます。家庭菜園で育てる分には問題ないので、おいしかった種を育ててみるのもアリです。
冷蔵庫で2週間休眠させた後、ジップロックの中で2週間後に発芽した桃の種 |
果物や野菜の種から発芽させる方法
発芽させる方法は、種の種類によって異なりますが、基本的には以下の4つのステップに分けられます。
1. 種を採取して保存する
2. 種を発芽させる
3. 苗を育てる
4. 苗を植え替える
それでは、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
種を採取して保存する
まずは、果物や野菜から種を採取して保存する方法です。種は新鮮なうちに採取し、乾燥させて保存します。乾燥させることで、カビや虫の被害を防ぎ、発芽率を高めることができます。また、種は採取から2年以内に使用することが望ましいです。
種の採取方法
果物や野菜から種を採取する方法は、以下のようになります。
- 果物や野菜を洗って切ります。
- 種がある部分を取り出します。
- 種についた果肉やヌメリを水で洗い流します。
- 種をキッチンペーパーなどで水気を拭き取ります。
- 種が重ならないように新聞紙や紙皿などに広げます。
種の保存方法
種を乾燥させたら、保存する方法は以下のようになります。
- 乾燥した種を密閉できる容器に入れます。容器はプラスチック製やガラス製などのものが適しています。
- 容器にラベルを貼って、種の名前や採取日などを記入します。
- 容器を直射日光や高温多湿の場所に置かず、涼しく乾燥した場所に保管します。冷蔵庫や冷凍庫も保存場所として選べますが、使用する前に常温に戻す必要があります。
種を発芽させる
次に、保存した種を発芽させる方法です。種を発芽させるためには、適切な用土に蒔き、発芽に必要な日射や日陰を与えることが大切です。また、暑すぎたり寒すぎたりしないように、温度管理をする必要もあります。
重要なのは食べた後すぐに乾燥させて、土に植えても発芽しないケースがほとんどです。基本的に果物や夏野菜は秋ごろから葉っぱが枯れ冬に落ちますよね。
自然界では実が落ちて、その上に葉が落ちて冬を超えて腐葉土になり、暖かくなった春に発芽します。
ワンポイントアドバイス
例えばおいしいサクランボや桃を食べた後、すぐに種を植えても発芽しにくいので上の採取方法で書いたようにキレイに洗います。
桃や梅などの固くて大きい種は外側の殻を上手に割ると、発芽が速くかびる前に芽が出ます。
ジップロックや密封できるタッパーにキッチンペーパーを濡らして種と一緒に入れて2週間冷蔵庫で寝かせます。
ジップロックで吸水させて発芽した桃(3週間後) |
冷蔵庫で寝かせることによって冬が来たと種に錯覚させて休眠させます。2週間後冷蔵庫から出してみると、発芽していることがあります。
冷蔵庫で2週間寝かせたけど芽が出ていない場合、冷蔵庫から出してさらに2週間常温に置いておいてください。しばらくすると発芽します。
まだ発芽していなければ、この後記載する種まきの方法でやってみてください。
*長期間冷蔵庫に入れていたり、雑菌がついているとカビてしまうので要注意!
このブログの最初の画像もこの方法で発芽させた桃の種です。
種蒔きの準備
種蒔きの準備として、以下のものが必要です。
- 良質な種
- 適切な土
- 種蒔きトレイ
- 水やり用のスプレーボトル
良質な種を選ぶ
種は信頼できる販売者から購入した、採取から2年以内のものを使いましょう。日本の種だと発芽期限や種蒔き時期などが記載されているので、確認しましょう。また、自分の居住地の天候に合う植物であることも大切です。居住地域に生息する植物の種を使うと、成功する確率が高まります。その土地の環境、気温、土壌、そしてその他の条件が生育に適しているためです。近所のホームセンターや園芸店、農産物直売所、またはさまざまな地域向けの種を販売するインターネットの店舗で種を購入しましょう。
適切な土を用意する
自宅で腐葉土を作っているのなら、腐葉土を種蒔きに使用しても問題ありません。種を発芽させるためには、粘土質ではない柔らかめの土を使います。種の種類によって、発芽に使う土も異なります。発芽させる種に必要な土を調べ、持っていなければホームセンターや園芸店やインターネットで購入しましょう。あらかじめミックスされた土を使わない培地も販売されており、多くの品種の種に使用できます。
種蒔き用のトレイ、容器を準備する
わざわざトレイを買いたくない人は、プリンやゼリーのプラスティック容器や豆腐の入れ物などの底に穴をあけても代用できます。購入するなら5~8cmの深さで、底に水抜き穴がついたトレイがベストです。紙でできた種を個別に蒔くための仕切りがついたものもあります。トレイの大きさは蒔く種の数によりますが、発芽するために十分な間隔をあけて蒔くことが大切です。
過去に卵の容器で試したこともありますが、発芽後すぐに植え替えをしなければならないので、すぐ畑に植え替えられるなら発芽だけのために代用するのもアリです。
種蒔きの方法
購入した種は、パッケージの裏に種まきの時期と方法が記載されていますので従ってください。
- トレイに土を入れます。土はトレイの縁まで入れるのではなく、縁から1cmほどの深さまで入れましょう。
- 土に水をかけて底まで湿らせます。土を水浸しにせずに、発芽に適したやや湿った状態にします。一度土を濡らせないと土が水で締まって容器の半分以下になってしまうこともあるので、一度湿らせましょう!濡らして高さが下がってしまったら土を足しましょう。
- 種を水に浸す必要があるか調べます。蒔く前に数時間水に浸す必要がある種もあります。一方、水には浸けずにそのまま土に蒔く種もあります。蒔こうとしている種が、事前に水に浸す必要があるかを調べましょう。
- たいていの種は1~2㎝程度の深さに埋めればよいので、人差し指の第一関節よりちょっと深いくらいの穴をあけて種を入れます。種を入れた穴に土をかぶせて埋めます。かぶせた土は硬くなりすぎると発芽しにくくなることもあるので押さないこと!水で自然に土が締まるので押す必要はありません。
- 種を蒔いたら、再び水をかけて土を湿らせます。
発芽した後、5か月で背丈80㎝まで成長した桃 |
種の発芽後の育て方
最初の緑の新芽(双葉)が顔を出したら、トレイを日当たりの良い場所に移しましょう。温度を20℃以上に保ち、健康で丈夫に育つように明るい場所に置きましょう。毎朝(夕方でも可)水やりをしてください。
苗によって日照時間や日当たり(直射日光)など違いがあるので、適した場所に植え替えする準備をしておきましょう。
水やり
発芽した苗は水分を必要としますが、水やりは過不足に注意しましょう。水やりが少なすぎると苗が乾燥して枯れてしまいますが、水やりが多すぎると根腐れやカビの原因になります。水やりの目安は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えることです。また、水やりは朝か夕方に行い、直射日光の当たる時間帯は避けましょう。水やりの際には、苗に直接水をかけないように注意してください。苗は傷つきやすく、水圧で折れたり倒れたりすることがあります。水やりは土に対して行うか、スプレーなどで霧吹きするようにしましょう。
日光
発芽した苗は光合成を行うために日光が必要ですが、強い日光に当てすぎると葉焼けや枯れの原因になります。特に夏場は日差しが強いので注意が必要です。日光の目安は、午前中か午後から夕方に2~3時間程度与えることです。また、日光が当たらない場所で育てる場合は、人工的な光源を用意する必要があります。蛍光灯やLEDライトなどを利用して、苗から20~30cmほど離して照らしましょう。
温度
発芽した苗は温度にも敏感です。一般的には15~25℃程度が適切な温度ですが、植物の種類によって異なる場合もあります。温度が低すぎると成長が遅くなったり枯れたりすることがありますし、温度が高すぎると蒸れたり枯れたりすることがあります。温度管理の方法は、室内で育てる場合は窓際や暖房器具から離して置くことです。屋外で育てる場合は、ビニールハウスやミニ温室などを利用して保温することです。
種から育てたリンゴ3年半で2m弱まで成長した |
種から発芽させる基本方法のまとめ
家庭菜園する場合、苗を買ってくるのか?それとも種から育てるのか?選択肢があります。苗だと割高だし、たくさん育てたい場合は断然、種から育てるのがおすすめです!種の発芽と育て方についてご紹介しました。発芽した苗はまだ成長途中でデリケートなので、適切な環境を整えて丁寧にお世話しましょう。そうすれば、美しい花や実を楽しむことができます。
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